このQ&Aは、「建築確認手続き等の運用改善(第二弾)及び規制改革等の要請への対応についての解説」に寄せられた質疑について、国土交通省と協議しながら、ICBAで回答を作成したものです。なお、今後必要に応じて更新いたします。
番号 | 大分類 | 小分類 | 質問内容 | 回答 | 公開日 |
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1 | 構造基準等の合理化関係 | Exp.J等で接続された複数の部分で構成される建築物の構造計算ルートの合理化 | 平成19年国土交通省告示第593号第1号イに該当する鉄骨造の建築物の部分(ルート1-1)と、同号ロに該当する鉄骨造の建築物の部分(ルート1-2)がExp.J等のみで接続されている建築物は、一の建築物としてルート1となるのか。 | 一の建築物としてルート1として取り扱うこととなります。 | 2011/05/19 |
2 | Exp.J等で接続された複数の部分で構成される建築物の構造計算ルートの合理化とは、3以上の部分がExp.J等で接合されている建築物であっても、当該部分がそれぞれルート1の構造計算を行えば安全性が確保できるもの(具体的には解説P.32参照。)であれば、構造安全性の確認はルート1の構造計算でよいということか。 | 貴見のとおりです。 | 2011/05/19 |
3 | 例えばルート2の構造計算やルート3の構造計算、限界耐力計算が必要な建築物とルート1の構造計算を行えば安全性が確保できる建築物がExp.J等で接合されている建築物については、今回の措置の対象となり、構造計算適合性判定の対象外となるのか。 | 今回の措置の対象ではなく、引き続き構造計算適合性判定の対象となります。 | 2011/05/19 |
18 | 鉄筋コンクリート造と木造の混構造建築物の構造計算ルートの合理化 | 今回の改正により、ルート1の構造計算により安全性を確認することができる鉄筋コンクリート造と木造の構造を併用する建築物として追加された建築物は、具体的にはどのようなものか。 | 鉄筋コンクリート造と木造の混構造建築物の構造計算ルートの合理化として、ルート1の構造計算により安全性を確認することができる建築物として追加した建築物は以下の①、②の通りです。
①平成19年国土交通省告示第593号第4号イ(1)(ⅱ)、(2)~(4)、(6)~(9)に該当する建築物:以下に該当する建築物
- 地階を除く階数が3
- 1階及び2階が鉄筋コンクリート造、3階が木造
- 高さが13メートル以下で、かつ軒の高さが9メートル以下
- 延べ面積が500㎡以下
- 地上部分の各階の層間変形角がそれぞれ200分の1以内※
- 地上部分の各階の偏心率がそれぞれ100分の15以内
- 鉄筋コンクリート造の建築物の部分(1階及び2階部分)の剛性率がそれぞれ10分の6以上
- 鉄筋コンクリート造の建築物の部分(1階及び2階部分)について、昭和55年建設省告示第1791号第3第1号に定める構造計算(壁・柱量の確認、部材のせん断設計、塔状比の確認)を実施
- 木造の建築物の部分(3階部分)について、昭和55年建設省告示第1791号第1に定める構造計算(筋かいの応力割増の確認、筋かい接合部の十分な強度の確認、塔状比の確認等)を実施
②平成19年国土交通省告示第593号第4号ロに該当する建築物:以下に該当する建築物
- 地階を除く階数が2
- 1階が鉄筋コンクリート造、2階が木造
- 高さが13メートル以下で、かつ軒の高さが9メートル以下
- 延べ面積が3,000㎡以下
- 地上部分の各階の層間変形角がそれぞれ200分の1以内※
- 地上部分の各階の偏心率がそれぞれ100分の15以内
- 鉄筋コンクリート造の建築物の部分(1階部分)について、昭和55年建設省告示第1791号第3第1号に定める構造計算(壁・柱量の確認、部材のせん断設計、塔状比の確認)を実施
- 木造の建築物の部分(2階部分)について、昭和55年建設省告示第1791号第1に定める構造計算(筋かいの応力割増の確認、筋かい接合部の十分な強度の確認、塔状比の確認等)を実施
- 木造の建築物の部分(2階部分)について、地震力を割り増して構造計算を実施、又は特別な調査若しくは研究の結果に基づき安全上支障のないことを確認
※地震力による構造耐力上主要な部分の変形によって建築物の部分に著しい損傷が生ずるおそれのない場合、120分の1以内 | 2011/06/10 |
4 | 今回追加された平成19年国土交通省告示第593号第4号ロに規定する木造と鉄筋コンクリート造の混構造建築物(2階建て、床面積3,000㎡以下)について、同告示第4号ロ(4)に規定されている特別な調査又は研究とはどのようなものが該当するのか。 | 当該建築物は木造部分(2階部分)が大規模なものとして設計することが可能であるため、木造部分の架構の剛性を確保することが必要です。このため、同告示第4号ロ(4)では、剛床仮定(に基づく構造計算)が成立するとみなせる程度の剛性を確保するために、あらかじめ木造部分に生ずる地震力を割増しして構造計算を行い部材の剛性を確保する旨を規定しています。当該特別な調査又は研究についても、作用する外力の割増し等によって木造部分の水平構面の剛性が確保されることが確かめられる構造計算が該当すると考えられます。 | 2011/05/19 |
5 | 当該建築物について、木造部分の水平構面を支持する鉛直構面の充足率を確保(0.75以上)して設計を行い、木造部分の水平構面に限り地震時応力を割増し(1.5倍)する構造計算は、当該特別な調査又は研究に該当するのか。例えば社団法人 日本建築構造技術者協会のホームページで公開している設計事例のうち「水平構面略算法」は、当該特別な調査又は研究に該当するのか。
| 該当すると考えられます。 | 2011/05/19 |
6 | 当該建築物について、番号5の構造計算の水平構面の地震時応力の割増しに際して、水平構面の変形増幅性状をAi分布のような水平せん断力分布を考え詳細に検討する構造計算は、当該特別な調査又は研究に該当するのか。例えば社団法人 日本建築構造技術者協会のホームページで公開している設計事例のうち「水平構面精算法」は、当該特別な調査又は研究に該当するのか。
| 該当すると考えられます。 | 2011/05/19 |
7 | 建築確認・審査手続き等の合理化関係 | 申請図書の合理化 | 今回の運用改善により、「検査申請時に内装の仕上げの部分を写した写真の提出は不要」となったが、その対象は、検査申請日が5月1日以降のものか、検査日が5月1日以降のものか。 | 検査申請日が平成23年5月1日以降のものが対象となります。 | 2011/05/19 |
8 | 確認申請図書の簡素化に係る省令改正については、確認申請日が平成23年5月1日以降のものが対象となるのか、又は、着工が平成23年5月1日以降の者が対象となるのか。 | 確認申請日が平成23年5月1日以降のものが対象となります。 | 2011/05/19 |
9 | 軽微な変更の対象の明確化 | 「軽微な変更」の事例として「間仕切壁の位置の変更」が記載されているが、間仕切壁を取止める場合についても「軽微な変更」として取り扱えるか。 | 間仕切壁(主要構造部であるもの及び防火上主要なものを除く)の一部の取止めや追加についても、規則第3条の2第十号に規定する「位置の変更」に該当するため、建築基準関係規定に適合することが明らかなものであれば「軽微な変更」の対象となります。 | 2011/05/19 |
12 | 規制改革等の要請への対応関係 | 建築基準法が適用される工作物からの太陽光発電設備等の除外 | 「太陽光発電設備等に係る建築基準法の取扱いについて」(平成23年3月25日付け国住指4936号。建築指導課長通知)に関し、「第1 太陽光発電設備の法が適用される工作物からの除外」は平成23年10月1日施行であるが、「第2 土地に自立して設置する太陽光発電設備の取扱い」及び「第3 建築物の屋上に設置される太陽光発電設備等の建築設備の高さの算定に係る取扱い」は、平成23年3月25日より適用されるとの理解でよいか。 | 貴見のとおりです。 | 2011/05/19 |
10 | 平成23年10月1日以降は、4mを超える太陽光発電設備については、準用工作物とは扱われないこととなり確認申請等は不要となるが、高さには算入されることとなるのか。 | 建築物の屋上に設置する太陽光発電設備については、原則として、工作物ではなく、建築設備として建築物の部分として扱われることとなります。このため、既存建築物に設置する場合にあっては、その高さに関わらず増築等を伴わない場合にあっては確認申請は不要となります。建築物の屋上に設置する太陽光発電設備等の高さの取扱いについては、「太陽発電設備等に係る建築基準法の取扱いについて」(平成23年3月25日付け国住指4936号。建築指導課長通知)を参照してください。
なお、土地に自立して設置する太陽光発電設備のうち建築物に該当しないものについては、平成23年10月1以降は、4mを超えるものにあっても、準用工作物とは扱われないこととなり確認申請等は不要となります。 | 2011/05/19 |
11 | 解説書に土地に自立して設置する太陽光発電設備について、建築物に該当しないものとして「外形的に判断できる場合」の例示があるが、外形的な要件を満たしていなくても、建築物に該当しない場合はあるか。 | 例示している外形的な要件を満たしていなくとも、土地に自立して設置する太陽光発電設備のうち当該設備自体のメンテナンスを除いて架台下の空間に人が立ち入らないものであって、かつ、架台下の空間を屋内的用途に供しないものと判断できるものについては、建築物に該当しません。なお、当該判断は、個別の計画に応じて行政庁が行うこととなります。 | 2011/05/19 |
14 | 屋上に設置する太陽光発電設備等の高さ算定の取扱い | 建築物の屋上に設置する太陽光発電設備等の高さの算定の取扱いの明確化については、既存建築物の屋上に太陽光発電設備等を設置する場合のみでなく、新築建築物にも該当するとの理解でよいか。 | 貴見のとおりです。 | 2011/05/19 |
13 | 建築物の屋上に設置する太陽光発電設備については、「太陽光発電設備自体のメンテナンスを除いて架台下の空間に立ち入らないものであって、かつ、屋内的用途に供しないもの」についても、建築物として扱われることとなるのか。建築物として扱われる場合、土地に自立して設置する場合と建築物の屋上に設置する場合とで取扱いが異なることとなり矛盾するのではないか。 | 土地に自立して設置する太陽光発電設備については、「太陽発電設備等に係る建築基準法の取扱いについて」(平成23年3月25日付け国住指4936号。建築指導課長通知)第2のとおり取り扱われることとなります。建築物の屋上に設置する太陽光発電設備については、土地に自立して設置するものとは異なり、原則として、建築設備として建築物の部分として扱われることとなります。
なお、建築物の屋上に設置する太陽光発電設備のうち架台下の空間を屋内的用途に供しないものについては、建築物の部分ではありますが、床面積には算入されないこととなります。 | 2011/05/19 |
15 | 建築物の屋上に設置する太陽光発電設備等の高さの算定の取扱いの明確化については、高架水槽等開放性がない建築設備も対象となるのか。 | 対象とはなりません。建築物の屋上に設けられる高架水槽等については、規模及び外観の面から階段室等と類似性があるため、階段室等と同様に建築物の屋上部分として扱うことが適当と考えます。 | 2011/05/19 |
16 | 建築物の屋上に設置する太陽光発電設備等のうち高さに算入すると建築基準関係規定に抵触するものについて、高さの取扱いはどうなるのか。 | 「建築物の屋上部分」として扱うこととなります。なお、太陽光発電設備等の架台下の空間が居室等である場合には、高さに算入すると建築基準関係規定に抵触するものについては、設置することができません。 | 2011/05/19 |
17 | 「第3 建築物の屋上に設置される太陽光発電設備等の建築設備の高さの算定に係る取扱い」の中で「建築物の高さに算入しても当該建築物が建築基準関係規定に適合する場合にあっては・・・」とあるが、この適合については確認申請等において審査されることになるのか。 | 新築建築物については、原則として確認審査等において建築主事等により審査されることとなります。
既存建築物に太陽光発電設備等を設置する場合にあっては、増築等を伴わない場合にあっては確認申請は不要となります。このため、建築基準関係規定に適合しているかどうかの判断については、設計者等が行うこととなります。 | 2011/05/19 |